僕の職業はグラフィックデザイン。ポスターやロゴマーク、書籍や雑誌をデザインする仕事。でも別にやりたかった職種でもなく、小さい頃から絵やイラストを描くのも嫌いじゃなかったし、わりと得意ではあったのでなんとなく選んだだけの職業だった。

じゃあ他に何かあったのか? 昔から音楽が大好きで、若い頃はレコードや楽器にかなり時間とお金を費やした。そして仲間たちとスタジオに籠っては自分達で音を作ったりしていた。そしていつしか作曲が好きになり、作曲家になりたい、CMソングやジングルを作る仕事をしたいとずっとしたい、と思っていたが時代は就職氷河期。夢をみている場合ではなく、現実的に考えて現在の道へと進んだ。そして人や環境にめぐまれ、25年以上経った今でもデザインで生活出来ている。

ところが先日、仕事関係の知人から突然「音を作ってくれない?」と連絡が入った。いつもデザインを依頼してくれるクライアントのひとりで、よく自分の音楽すきをアピールしたり趣味で作った音源を無理矢理聴かせていた人からだ。短めの曲を5曲ほどMacで作成し、昨日納品した。今まで趣味で作り続けていた曲が初めて商品となった。音楽で仕事が出来た。夢を諦めきれずに往生際悪く続けていて本当に良かったと思える瞬間だった。

「諦めなければ、必ず夢は叶う」なんて大袈裟なことは僕には言えないけれど、それでも希望は捨てずに、往生際悪く、これからも歩み続けていきたい。